高知市で行われた高レベル核廃棄物処分場問題の学習会に参加。広瀬隆さん、小林圭二先生という豪華講師だったこと、主催者の外京ゆりさんが普通の一般市民ですてきな女性だったことから、スケジュールを調整し、高知行きのバスに乗った。
高知県津野町、同じく東洋町が処分場の候補地として手を挙げかけていることが9月初旬に新聞報道され、東洋町と海部郡が隣越する徳島県でも関心が高まっている。橋本高知県知事は「自分が知事在職中には受け入れない宣言」をしており、賢明な知事を持つ県民は本当に幸せだなあ、と思う。徳島県議会でも「反対すべきだ」という意見が保守系議員からも相次ぎ、知事も本会議で「慎重な上にも慎重に」と発言していた(物足りない気がするが、国策に反対する勇気ある知事への脱皮は今後に期待するとしよう)。
また、13日の議会運営委員会では県議会から東洋町へ、「慎重に対処するように」との意見書が出されることへの賛否が議論され、意見書を出すことに後ろ向きな会派からは「出すなら効果的な時期に。今はまだ早い」という意見。そうかもしれないけど・・・。大事な問題なのでもっと勉強しなければならない。放射能に県境はないのだから「内政干渉だ」という意見には頷けない。
この学習会で学んだことを簡単にまとめてみる。
放射能の性質
放射能のエネルギーは、私たちのまわりで起こる通常の化学反応に比べると、何百万倍のレベルであり、計り知れない自然界(人体)への影響を持つ非常に恐ろしいもの。チェルノブイリのような大事故が起これば、四国だけでなく西日本一帯のすべての農作物や人の健康に長い期間にわたって影響を与える。東海村の事故でも二人に方が非常に悲惨な最期を遂げられた。
放射性廃棄物を地下に封じ込める危険性
現在の科学では原発の核のゴミを安全に処理する技術はない。選択肢が全てなくなって、仕方なく地下深くに埋める、というのだが、放射能はプルサーマルの場合半分に減るのに何百万年もかかり、その間、放射能を閉じこめた20?のステンレスの容器は腐食するだろう。南海地震も予想されるし、たとえ地震が起きなくても地下の岩盤から放射能が地下水にしみ出し、黒潮にのって太平洋岸一体を汚染するだろう。
原発がなくなれば電気が止まる?
東海村の事故で東京電力(日本全体の電気の35%を供給)は原発17基を全て止めた。が停電にはならなかった。代替エネルギーの開発など本気で取り組めば、「脱原発!」は可能。「原発はCO2を出さないからクリーン」というが、「花火より原子爆弾の方がCO2を出さないから良い」といっているようなもの。
六ヶ所村の悲劇
今、原発のゴミを青森県の六ヶ所村が一気に引き受けているが、初めての核廃棄物入港の際、身体を張って止めようとした地元のお母さんたちは、東北6県から出動した機動隊の壁に阻まれ、なすすべもなく悲鳴のような泣き声をあげるしかなかったという。動き出してからでは、もう止まらない、後悔し切れないだろう。原発立地地区などには多額の交付金が出され、財政難に苦しむ地方が核廃棄物処分場の候補地として狙われている。
どうして止めないの?
最後に、「どうしてこんなに危険でお金もかかる原発を国は止めないのか?」という質問があり、「目的は核開発だろう」ということだった。北朝鮮の核実験問題を受け、自民党幹部が「日本にも核武装が必要という議論をすべき」と言っているし、信憑性がある。永年身体を張って原発に挑んできた広瀬さん、一時期、命を狙われていたと聞いたことがある。どんなにか厳しい目をした人だろうと想像していたのだが、とても深く、優しい目をされていた。心を打たれた2時間だった。