2月23日
シンポジウム「まちに森をつくる」
里山の風景をつくる会の事務局で建築家の野口政司さんとは、徳島市の住民投票での戸別訪問でコンビを組んで以来のお付き合いだ。知らない家を「ピンポン」と訪問し、可動堰住民投票の意義や吉野川の大切さ、民主主義のこと、国や県や市の財政のことなどなど、訪問先の相手の反応によっていろいろな話をする。時には怒鳴られることもあり、どんな人が出てくるかスリルであり、しかし、たいていの家の反応のよさに徳島市民の温かさ、吉野川に対する愛着、意識の高さ、ここにいたるまでの、市民運動の粘り強い情報発信に感心したのを思い出す。
その後、可動堰NO!の市民の意思表示を受けて、代替案として、緑のダムを含めた総合治水に行きつくのだが、森を守るためには森の木を使うこと、吉野川流域の木を使った家を建てることで「まちに森をつくる」こと、まちの森とは流域の木を使った家のことなのだ。
「ピンポン大作戦」の発案者だった野口さんとは、当時、公共の大きな建物を扱う偉い建築家さんとは知らずにご一緒したのだけれど、その後、「吉野川を守る」というビジョンを見事に昇華され、自らの建築を里山の家づくりにシフトされた生き方には胸を打たれる。また、代表の近藤こよみさんは、温かくて芯の強い凛とした女性だ。お嬢さんともども「市民アクション2008」の忙しい事務局をいきいきとこなされていて、母娘で分かり合える素敵な関係。
CO2の固定は地球温暖化の防止にもつながるし、この日の大きなテーマは「地球温暖化防止と里山の家」であり、建て主(実際の建て主は夫)ということで私にもパネラーの役が当たった。この日私に与えられた仕事は、「里山の家を建てたわけ」と「その住み心地」を語ることだ。
会場は新町川のほとりにある、城西ビオスクリニック。野口さん設計で、1階がクリニック、2階は自然食のレストラン、3階がデイケア、4階が市民にも開放した約40〜50人収容のミニホールになっている。この日温かな雰囲気で行われたミニホールでのシンポジウムの様子は、里山の風景をつくる会HPに写真入り5回シリーズでおしゃれにまとめられている。
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