くらしに生かせる普段着の政権を実現します 徳島県議会議員 吉田ます子
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徳島県議会日記

3月26日
振り返る県議会〜びっくり!領収書の要らない政務調査費〜
2月22日
やっぱり荒れた2月議会?!〜議長権限で共産党議員の発言停止〜
11月30日
21世紀型選挙とは?〜飯泉知事出馬表明〜
11月24日
否定された住民参加〜環境対策特別委員会〜
10月16日
閉会日、7つの決議
〜北朝鮮への「あらゆる制裁」にこだわってみたけれど

9月28日
応援団を前に緊張の一般質問
9月20日
9月議会開会
9月5日
一人会派になりました
7月7日
「北朝鮮にあらゆる制裁措置を!」の決議(6月議会閉会)
4月28日
選挙区と定数、これが政治というものか!?
3月22日
議員報酬2.5%カットでは不公平!
3月7日
最後の公安委員会
3月3日
地方の道路の財源確保の意見書に退席した訳は?
2月20日
県民ネットは役割を分担、二手に分かれました。
12月12 日
日本一のDV対策を〜人権対策特別委員会〜
12月6〜7日
公安委員会〜広島・栃木の女児殺害をうけて性犯罪者の情報開示の是非は〜
12月2日
代表・一般質問〜ダム審の二の舞にならないために〜
12月1日
代表質問 〜スカイマーク撤退とジェンダーフリー〜
11月28日
11月議会開会とペーパータオル
10月17日
忘れられない9月議会 閉会
10月4日
男女共同参画の審議2日目に突入〜総務委員会〜
10月3日
議会事務局のFAX鳴りっぱなし〜総務委員会(公安・県民環境)〜
9月29日
何かの間違い?〜男女共同参画基本法の廃止を求める請願!!!〜
9月27日
ドキドキの代表質問
9月20日
9月議会開会
6月23〜24日
クーラー効き過ぎの本会議場〜代表質問、一般質問〜
6月20日
6月議会開会〜焦点は渇水対策と指定管理者制度〜
3月23日
荒れる2月議会〜自民党会派分裂〜
3月5日
J2開幕 徳島ヴォルティスデビュー戦〜2月議会開催中〜
12月17日
11月議会閉会〜北朝鮮に対する経済制裁を求める意見書は?〜
10月22日
県議会閉会〜焦点は三位一体改革〜
9月29日
9月議会開会 〜まずは災害対策緊急予算可決〜
7月29日
長かった6月議会が閉会
3月18日
会長・幹事長会でお詫びをしました。
3月14日
揺れる県議会「懲罰動議」って?
1月16,19,20,23日
普通会計決算認定特別委員会
12月18日
11月議会閉会 日本一安い?会費の忘年会
12月4日
初めての代表質問、事前に用意される全答弁内容
12月1日
師走に入り、質問準備中
11月17日〜19日
人権対策特別委員会視察(千葉、東京)
10月22日
本会議閉会 男女平等の潮流に逆行する決議が議決
10月14日
人権委員会 白熱する男女混合名簿導入への論議(傍聴記録)
10月7日〜10日
常任委員会、骨抜きの入札制度改革
10月1日〜3日
本会議(代表質問、一般質問)
9月18日〜19日
建設業者との意見交換会、事前委員会
9月10日
県土整備員会(臨時:入札制度改革について)
9月1日〜3日
ちょっと豪華すぎるんじゃないの?(委員会県外視察)
7月15日
議会のあり方検討委員会、本音は以後非公開
6月26日
本会議開会。新知事の所信表明
6月19日
県土整備委員会県内視察(県央部)
6月4日〜6月10日
特定交通対策、人権対策、少子高齢化対策特別委員会
5月29日〜6月10日
各委員会所轄事項説明会、第十堰問題と下水道問題について質問!
5月28日
本会議初登場でいきなり討論がまわってきた!
臨時議会本会議、はじめての本会議そして初登壇
5月27日
2回目の会長・幹事長会。元木議員逮捕で報道陣がいっぱい
5月21日
いきなり荒れ模様の会長・幹事長会

 6月4日(水)〜6月10日
特定交通対策、人権対策、少子高齢化対策特別委員会

 特別委員会は、特にその年に重点的に話し合うべき項目が、前年の2月頃までに決められているようだ。
 今回、知事選の時に第十堰問題が再び話題になり、「可動堰を今後の吉野川河川整備計画の選択肢からはずせるかどうか」が「新知事が本当に改革派であるかどうか」の踏み絵にもなっているし、「30万人署名の会」(だったかな?)が亡霊のように現れたりして県民の関心も高まっているので、来年の特別委員会の検討項目に吉野川の治水問題を入れてほしいということを、先述の会長・幹事長会でも発言した。
 今年は、第十堰の問題は特別委員会の項目には入っていない。


6月4日
特定交通対策委員会(宮本さん担当)


 特定交通とは、高速道路や高規格道路、港湾道路関係のことらしい。
 徳島高速道路の南進の件では来代節が炸裂。「いったい高速道路は何時着工するのか?」「昨年のマリンピア沖洲埋め立て整備手法検討委員会で、議論を急いだのはなぜか? あれは前知事の遊びだったのか?」「(整備手法のアンケートで)400人くらいを民意と言い、(全面埋め立てと答えた)8千何百人は民意でないというすばらしい言明をされた大学の先生がいましたねえ。」「ルイスハンミョウとかいうあまりきれいでない虫のために議論したために高速道路の南進が遅れたりするんだったらどう責任を取るのか?」等々、言いたいことをすべて口に出して表現する神経はうらやましい限り。

 自然生態系に配慮し共生することが21世紀人類の生きる道、本気でルイスハンミョウだけのことと思っているのか?
 来代氏は飯泉新知事の相当なファンらしく、本会議でもあふれんばかりの笑顔で知事に挨拶していたし、この日上総県土整備部長に「知事は徳島に骨を埋めると言っているのに同じ中央から出向してきたおまえはどういうつもりなんだ。高速道路が遅れたらどうしてくれる」的な発言をしていた。

 「マリンピアを全面埋め立てに戻せば国は満足して高速道路を早く進めてくれるのではないのか?」
 上総部長は「マリンピアの検討委員会は県民のコンセンサスを得るために必要な手続きだった」と冷静に答えていた。
 無茶なけんか腰の質問にもいつも冷静なそつのない答えを繰り返す、本当に大変ですね。

 この問題については阿南市選出の達田委員が、「高速道路の早期着工を望む声、高速道路は通勤には利用しないということで他の生活道路を望む声、その他いろいろな声を耳にするけれど、意見集約の方法をどう考えているのか」といういい質問。
 また、来代氏ご立腹のマリンピア埋め立てについてのアンケートの「4百対8千数百」について「一人1票形式のちゃんとしたアンケートだったのか?」という爽快な質問、「そうでない」の答えに心の中で拍手喝采しました。


6月5日
人権対策特別委員会(吉田担当)


 人権という日頃あまり力を入れて勉強していない分野の委員会の担当になってしまった。同和問題、男女共同参画、障害者差別などいろいろなテーマがあるが、「一番の人権侵害は南北問題」という意識が私の中に強いのは、夫がアフリカ支援のNGOを主宰しているからだろう。ザンビアやモザンビークで暮らしたこともある。
 私たち北側(先進国)の人間は知らない間に南(途上国)の国の人々の生きる権利を奪っているのだ。たとえばグローバル化する経済やエネルギーの使い過ぎによって・・・。しかしいきなりそんな話を人権対策委員会ですれば、出席者の目が点になってしまうだろうな。

 本田議員に質問事項を相談してみた。「急を要する事柄に限る」となっているけど「聞きたいことを何でも聞いていいと思うよ。」と、いつのときでも議員になるために生まれてきたかのような彼の言葉に勇気をもらう。

 「同和団体への補助金(委託金かな?)として9000万円ものお金が支払われていて、その使い方の実態は団体を維持するための部分が大きい」というようなことも耳にしていたので質問してみることにした。
 古田委員もそのことについて「中止の方向で行くべきだ。」と主張していたが、この9000万円の報告書、県にはちゃんとしたかたちでは提出されていないらしい。

 まず財団に約1300万円が支払われ、財団から2つの推進団体にあわせて9000万円が動いているということだ。
 この春から財団の活動報告などの文書がやっと情報公開の対象になったそうで、驚くことに昨年までの会計報告をみたいと思っても叶わない。
 同和団体の報告書にいたってはまだ公開の対象にはなっていない。

 現在、大学進学率で被差別部落外との格差が15%もあり、今後も一般の対策の中で同和問題に対する支援は必要という担当者の意見。この補助金も5年かけて見直して減額していく方向らしい、県関係者は関係団体との調整にとても苦労しているとのことだった。

 他に麻植郡選出の議員としては、農家の後継者不足、嫁(いやな言葉だけど)不足の要因として「農家の嫁の重労働」があるとして「家族経営協定」が徳島県でどれだけ進んでいるかを聞いてみた。
 休日も昼休みもなかった(今もそうかもしれない)農家のお嫁さん、ちゃんと労働契約を結ぶことで本当に生活が楽になったという声が大きいそうである。いきなりの質問だったが、ちゃんと県内の協定締結数平成14年で約140件という数字を把握していた。件数についてはあまり多いとは言えないだろう。※家族経営協定についてのHP

 「セクハラ」についての庁内規定の有無も訊いてみたところちゃんとあるそうだ。


6月9日(月)
少子高齢化対策特別委員会(本田さん担当)


 多くの官僚たちが理事者側の席に陣取る各委員会、保健福祉部のみ2名の女性幹部の顔が見える。あとはすべて男性(数百人?)、見事な男性社会がここにある。
 県議会(42名中4名女性)よりも女性進出の割合は低い。社会に出て薬剤師という職種、病院という職場の中で、比較的女性が多く大切にされた世界で過ごしてきた私にとって、日本社会の歪みを見せつけられる機会が多くなってきた。

 さて、この委員会、前年度を上回る予算がついている県が力を入れている部門だ。「緊急を要する質問」という委員長の言葉を少しも気にせず、本田さんが面白い切り口で質問を始めた。

 「少子化の問題点は?」、女性官僚の川上参事が「年金制度の崩壊」「労働力の不足」「子供同士の交流の機会が減ること」と官僚度100点の答え。
 「社会が成熟していって、女性の社会進出が進むと子供の数が減っていくのは自然な流れ。それは欧米でも同じ。国の方針が産めよ増やせよであったとして、徳島県はどうするのか? 今の時代に施策は有効なのか? 子どもを育てる幸福感を高める施策が必要なのでは?」、(う〜ん、私がマスコミを通して見た昨年の県議会からは考えられないような高度な発言だ。)

 川上参事は「アンケートで欲しい子どもの数が3人であるのに対し、実際に持てる子どもの数は1〜2人。その理由の1位が経済的なもの。第3子の保育料公費負担などやるべき施策は多い。」とソツのない答え。
 委員長の目が「おいおい」と言っているので議論は本委員会に譲るということで、さらに「高齢化の根本的問題点は? 年金制度や医療の問題以外で」、とまだやるつもりだ。
 ずうずうしく何でも訊いてみることが実は県民の期待に答えることになるのだから、本田さんはエライ!私だと委員長の冷たい視線に絶えられないに違いない。それではいけない、がんばろう!

 「社会活力が低下すること、また高齢化してもイキイキと生活できるかどうかがポイントで、健康と働く場所と老人を慕う心が社会に必要」、と官僚は何を聞かれても優秀な答えを用意しているんだな。「介護を予防する(要介護予防)」ことが大事だという結論だった。ちょっと変な日本語だ。正しくは「要介護状態予防」と思います。

 その後、山田委員から「徳島の平均合計特殊出生率」が中四国の中で低いのはなぜか?」という質問。これは15〜49歳の女性が何人子どもを産んだか?というもので、「はっきりしたことは言えないが徳島は女子学生(普通の学生は子どもを産まない)が多いのが理由ではないか?」という答え。また乳児死亡率も高いらしい。鎌田保健福祉部長が「安心して生み育てられる総合的思索が必要。核は保健医療。」と締めていた。

 この委員会にオブザーバー委員として参加して、家族で住んだことのあるザンビアやモザンビークなどの南の国々を思い出さずにいられなかった。
 彼らは一人あたりのGNPが年400ドル以下の(物質的に)貧しい生活をしていてたくさんの子どもを産む。子どもは彼らにとっての唯一の財産なのだ。なぜなら貴重な労働力であり稼ぎ手であるから。
 小さい時から水汲みや薪拾い、赤ちゃんの世話などよく働く。かつての日本もそうだったのだろう。そしてそれらの国々の乳児死亡率は1歳までに10人にひとり、5歳までに5人にひとり…。十分な栄養が足りず下痢や風邪などで簡単に死んでしまうのだ。

 日本の繁栄やグローバリゼーションが彼らの貧しさに拍車をかける。彼らの産業である第1次産品は貿易市場で安く安く買い叩かれる。そして日本人はアフリカの人たちの約100倍のエネルギーを使っているが、それが地球温暖化につながり異常気象を産み干ばつや洪水が起こる。
 夫を中心に地道に活動を続けているNGOの直接のお手伝いが出来なくなった今日この頃、日本の政治が変わること(=持続可能な社会への転換)が最大の国際協力、そう自分に言い聞かせている毎日です。
TICO(徳島で国際協力を考える会)


6月10日(火)
 環境対策特別委員会(豊岡さん担当)


 この日の朝9時過ぎ、娘が高熱を出したと学校から電話があり、正午から葬儀もあって、残念ながらオブザーバー出席を断念。ところがこの委員会で「みどりのダム」についての重要な質問があったようだ。

 前日の徳島新聞に吉野川みんなの会の姫野さんがみどりのダムの効果を東京に報告にいく、という記事が掲載されたことを受けて共産党の扶川委員が「みんなの会がやっているみどりのダムの調査は本来ならば県がやらねばならないようなことではないのか?やっていないのか?」という質問をし「やっていない」と上総部長が答え、豊岡委員が思わず「これからもやるつもりはないのか?」と訊くと、

 「みどりのダムは洪水に効果がないというのが学界の定説です。」と上総部長。ムム、学会の定説? そうなのか? ということで、この問題は本会議の付託委員会まで保留になってしまったそうだ。

 「定説」というのを確認し、みどりのダムについてのより最先端の知識を得るために勉強が必要、ということで、会派として公開学習会をやるということに発展してしまった。

 みどりのダムの研究者広島大大学院の中根先生に電話で相談すると、勉強会の講師を快諾して下さった。
 多目的ダムをめぐって行政と住民が対立している川辺川では、4月に「利水」目的である農業者の水利権をめぐっての裁判で住民側が勝利、その川辺川での住民と行政の論争も参考になるだろうということで、議会事務局に資料をお願いしたところ、A4ファイル両面で7〜8センチもありそうな資料を丸1日のうちに用意してくれた。べんり〜。

 議会事務局では、20人くらいのスタッフが毎日忙しそうに働いている。仕事の内容はたくさんあるのだろうが、単純には議員二人に事務局員一人くらいの計算だ。「これこれの資料がほしい」というと簡単なものなら即座に用意してくれるし、ファイル7〜8センチなら半日。どんどん資料を集めてもらい、どんどん勉強したいものだ。

 川辺川住民大会は、ダム賛成派と反対派が県知事の音頭によって、一つのテーブルについて議論している。吉野川でなかなか実現しないことをやっているということだ(吉野川の場合は住民投票の結果に重みがあるので、共通のテーブルという意味が大きく違うのだけれど)。

 議事録を読んでみると初めは「ヤジ」もひどかったようで司会の県職員鎌倉さんが本気で怒る場面が続出、リアリティアあふれて下手な小説よりもおもしろい。専門家も両方の立場から複数出席、中根先生は、みどりのダムについての可能性を話されている。
 吉野川でも球磨川でも、行政側の矢面に立たれている先生の心労は計り知れない。その勇気が日本から無用なダム計画をなくし、日本の山や川を救うのだろう。同じ時代に生まれ、その生き様にふれることができて幸せに思う。
 問題の「定説」については、学習会の後に報告します。