10月3日
議会事務局のFAX鳴りっぱなし
〜総務委員会(公安・県民環境)〜
この委員会では持ち時間全て(40分)を、廃棄物問題に使う予定だったが、29日に男女共同参画社会を妨げよう(と私は理解した)という請願が出たので、急遽この問題を取り上げることになった。
吉野川基本方針に続いての緊急事態続発で忘れられない9月議会になりそうだ。2日夜から3日の朝にかけて、請願のことを聞きつけた多くの人々から連絡が入り、「絶対に反対して下さい、お願いします!」と頼まれた。もちろんである。あたりまえである。その旨伝えると「ありがとうございます。」と感謝の言葉をいただく。当たり前のことをして、「有り難い」と言われるところにすでに、この国での基本法の必要性がある。
午前中は公安委員会の審議があるので、男女・・・の審議は午後からなのに、朝一番すでに議会の入り口で待っている女性たちがいた。「よろしくお願いします。」と、まっすぐに私の目を見る一人の彼女の目は涙で潤んでいるようだ。DV被害にあわれた方々のカウンセリングをされている方だ。新米でつたない発言力の私、「彼女たちの気持ちよ、どうか乗り移れ!」と心の中で祈る。
私は生まれ育った家でも「女の子なんだから」と言われたことは一度もないし、学校でも職場でも、ほとんど女性差別を受けず(感じず?)にきた。そんな私も長男の嫁となり、ご近所づきあいなどでいろいろと感じることが多くなった。自治会では会合の際、男女がきちんと分かれて座り、女の人だけがいそいそとお給仕に動き、男の人は酒を飲んでいて驚いた。死ぬほど傷ついているたくさんの人たちがいて、基本法があるのだ。
「旦那さんがごみを出してくれる友だちが『ごみを出してやっている』と言われたんだって。普通の日本人はまだそういう感覚かもね。」「主人がママさんバレーに行くのを許してくれた」って言ってた知人。(趣味をするのに旦那の許可がいるなんてわが家では考えられない。)「私たちが議員をやってること自体、私たちの家庭は、まだまだ普通ではないのかもしれないね。心して代弁者にならねば。」と同僚の豊岡さんと話した。
委員会では
- 基本法制定までの流れ(与野党全員一致で可決された法律であること、圓藤→大田→飯泉と歴代徳島県知事も推進派であること)
- 日本の参画社会の実現度の国際的評価として、GEMが32位から44位に低下し、先進国中最低水準であること
- 男性の世代別自殺率(30〜50台では男性が70%以上で圧倒的に多い。20台、60台では60%)から、男女共同参画は男性のためにも必要であること
- DV被害状況の急増と加害者のジェンダー意識について(DV加害経験のある者は、ない者に比べて「男は外、女は中」「女は黙って付いて来い」という考え方の割合が多いなど質問した。
請願の審議に入ると、ある委員より「基本法自体は問題ないが、ひな祭りなどまでなくすのか、というような意見と行きすぎた性教育などの動き、の両極端の主張があり、どちらもどうかと思う。しかし、「計画」には改善すべき点があるのかもしれない。委員会独自で良い文案の意見書をつくり、審議は明日に持ち越してはどうか」という提案があった。
そこで、小休に入り(小休になると議事録作成はストップされ、視聴モニターも消えてしまう)私は「基本法の大きな理念が一歩でも後退するような意見書は採択できない」とだけ主張した。具体的な意見書の内容は明日にならなければわからない。
委員会終了後議会事務局に問い合わせると、この日147通のファックスと12通のメールが届いたそうだ。友人から夜電話があり、ファックスを送ろうとしたけど、ずっと話し中でなかなか送信できなかったらしい。数の力で採択はやむなし、と思われたとんでもない請願だったが、世論は議員を動かせるんだということを実感した。
明日はどんな意見書が出てくるのだろうか。
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