12月6〜7日
公安委員会〜広島・栃木の女児殺害をうけて
性犯罪者の情報開示の是非は〜
公安委員会では、広島や栃木の幼女殺害事件を受けて「アメリカのように性犯罪者がどこに暮らしているかなどのデータ公開を求める意見書を国に出そう」という提案が他会派の委員からあった。意見書の提案は正義感の強い現れだと思うし、被害者の家族の心境は想像を絶する。このことについて、広島の事件のマスコミ担当者や友人、家族と話し合っていた。小さい子どもへの性犯罪は再犯率が高いと言われ、初回は執行猶予、3回目くらいで重大事件になることがあるという。
アメリカでは州によって、性犯罪の前歴がある人の名前や住所を、インターネットで全ての市民に公開している。そして、更正に努力しているにも関わらず、その家が投石や放火にあうなどの弊害が起こり、しかも再犯率もあまり減少していないという。対照的に欧州では、加害者の治療制度が発達していて、再犯率を確実におさえる成果が出ているときいた。日本のような更正「教育」でなく「治療」だ。治療は、初期であるほど有効で、重症になると難しいという。早い時期での取り組みが必要だ。
情報公開については日本でも法務省が前科者のデータを各自治体警察に公開しているという。公開は警察まででとどめて、しっかり管理してもらうのが良いのはないかと思う。私は「もっと海外事例を研究し、人権にも配慮したより効果のある方法を慎重にやる必要があるのでは」と発言し、その結果、なんと意見書提出が見送られた。
私の発言で意見書が「時期早々」となったのだから、責任重大で、終わってからもずっとドキドキしていた。繰り返すけれど、被害者の無念さを思うと娘を持つ母親の一人として腹わたをえぐられるような気持ちだ。しかし、加害者もまた病気や障害の被害者なのかもしれない。何度も何度も考え直してみたが、意見書はやはり見送るべきだったと思う。このことについて詳しいサイトがあった。
「法、納得!どっとこむ」なっとくアンケート
他に、交通安全協会の会費納入率や納入方法について質問。同協会の存在意義は認めるし、地域での協会のみなさんの取り組みには敬意を表するのだが、運転免許更新時の強制的徴収方法には多くの県民から疑問の声があがっている。答弁は「強制でないことは十分説明している。」ということだった。また、今後免許更新手数料と窓口を別にする検討もなされているそうだ。会費徴収時に会計報告を、ということも要望した。
50年ぶりの公務員給与表の大改定
企画総務の委員会では、50年ぶりに抜本改訂されるという公務員給与について、違う立場からの質問が飛び交った。一人平均4.8%給与が下がることに加えて、これまで何があってもなくても年一号棒だけ昇級していた制度を、今後はその1号棒を4段階に分けて、最低0〜最高8段階まで偶数段階ずつ昇級する制度に変わるという。つまり、全体的に下がってかつより緻密に評価されるようになり、場合によっては「昇級なし」もあるということだ。
共産党の主張は「県経済に与える影響を懸念」「4月にすでに民間給与との是正が済んでいるのに、2重に下げることになる。」「生涯賃金が平均どうなるかなどわからないことが多すぎる」ので反対。対照的に自民会派(元公務員だという)からは「公務員は『休まず、遅れず、働かず』というもので、何かをして評価を下げるよりも何もせず黙って昇級されるのを是としてきた体質で、民間の厳しい経営努力からすると甘えていた。今回から良くやった分だけ昇級するという民間では当たり前の制度がやっと導入された」と歓迎する。
確かに県職員に対する県民の目は厳しい。しかし、良くやっている職員も確かにいるし、全てをひとくくりには言えない。ということは、今回の昇給制度の改革は良いことだ。ただし、誰がどのように評価するのか、評価の公平さ、透明性が問われることはいうまでもない。
私は住民参加型ミニ公募債の今後について質問。今年「学校と橋梁の耐震化」に使途を限定し、国債より0.1%低い利率で県が募集した5年満期の県債には、募集10億円に対して28億円も応募があったという。良いアイデアだと思うが、5年後の償還にはどの財源を充てるのか、今の財政状況で10億という金額を絞り出すことは決して楽ではないのではないか。来年も継続してこの県債を発行することも検討されているということだし、まだ誰も質問していないので聞いておきたかった。償還には一般財源を充てるしかなさそうだが、不要不急の大型事業を是非削ってほしいものだ。
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