7月7日
「北朝鮮にあらゆる制裁措置を!」の決議(6月議会閉会)
ワールドカップサッカーと同時に幕を開けた6月議会も、ワールドカップとほぼ同時に終了。サッカーでは、残念ながら日本は予選通過ならず。
議会の方は、出納長を廃止して、副知事を1名から2名に増やす新しい条例案ほか、知事など特別職の退職手当を削減するなど条例の一部改正が13件、旧吉野川流域下水道事業など大きな契約が10件、すべて原案どおりに可決された。
私たちの会派は談合で問題になった下水道事業団への事業の委託丸投げ(58億円)に疑問を持った。地元企業による入札による契約が理想的だから。しかし、残念ながら終末処理場という特殊な工事は国内でも限られた企業しかノウハウがなく、現段階では下水道事業団に任せるしかないのが実情のよう。また下水道事業団は、今年から入札はすべて一般競争入札を取り入れており、参加業者も事前に公表していないようで、談合防止への制度改革を進めているようだ。ということで、知事提出のすべての議案に賛成した。
ミサイル発射
ドイツでのサッカー準決勝が行われていた日本時間の深夜、テレビに「北朝鮮がミサイル発射」のテロップが流れた。日米合同の監視衛星が発射台装着を確認して2ヶ月以上経っており、人々の関心も「発射はないのでは?」と薄らいだときの衝撃だった。
これを受け県議会では閉会前日の議会運営委員会で「あらゆる制裁措置」の決議案が提案された。ミサイルはテポドンも含めて7発。二人会派の私たちは、半日いろいろと考えた末、7発もの数、テポドンを含んでいたこと、「あらゆる制裁」と言っても日本には憲法9条があり、武力の発動はできない、と自分に言い聞かせて賛成することになった。が、良い気持ちはしなかった。
今回の行為は誰も死傷者が出なかったにしても許せない行為、断固抗議するべきではある。しかし、北朝鮮だけでなくあらゆる国のあらゆるミサイル実験に対して抗議して行かねばならない。
9.11テロのあと、イラク攻撃に一人だけ反対したアメリカの国会議員バーバラ・リーさんのことを思い出す。9.11はテロでなく、アメリカ自身が仕組んだことだという証言が次々と出てきているし、大量破壊兵器もなかったのだ。報道はほとんどされないが、今もイラクは一般市民、子どもたちが次々と犠牲になる殺戮の海となっている(10万人以上死亡)ことが、高遠菜穂子さんの報告で具体的に明らかになった。
いま、北朝鮮の独裁軍事政権に洗脳されている一般国民は、太平洋戦時下の私たち日本人と同じではないのだろうか。そしてアメリカは日本に「原子爆弾」という制裁措置を加えた。この決議に賛成したことは、とても重い事実となって私の胸に残った。自分は正しい情報を得ているのだろうか? マスコミにあおられてはいないだろうか? 私個人としての無記名投票だったら、私はこの決議に賛成できなかったと思う。しかし、議員として、圧倒的世論を判断した結果だった。世論はミサイル発射に怒っている。このようにして戦争は始まるのだろうか。自分の判断が正しかったのかどうか判らない。
きくちゆみさんのブログ、高木さん(地球村)のブログ
帰宅して、大好きなきくちゆみさん(「戦争中毒」の訳者)のブログを見た。
テポドンに騙されないように!
9.11事件にまんまと騙されたみなさん(私もそのひとりだ!)、テポドン騒動にだまされないようにお願いします。
報道がへんだよー、なんか気持ち悪いゾー。誰かが戦争を準備しているぞ、軍産複合体がウハウハしているぞ、改憲派がほくそ笑んでるぞー。この北朝鮮ミサイル騒ぎで、日米同盟がどうなっていくか、お金がどう動くか、しっかり観ていましょう。
ヘンリーさんの「安倍晋三と金正日と文鮮明の魔のトライアングル」って、するどい! ビン・ラディンとブッシュ家が仲良しのように、表では敵を演じながら、実はお互い助け合って、それぞれの利益を得ている、ということは国際政治の社会ではよくあること。戦争屋さんは敵がいないと困るものね。改憲派だって敵や脅威がなければ困る。敵は大事にしないとねー(武器が売れないし、軍隊が無意味になっていく)。
北朝鮮のテポドン騒動について、もっとも冷静に語ってくれていた高木善之さんのことばを、ヘンリー・オーツさんのブログで発見!
地球村の高木さんのブログが紹介されていました。
そして高木さんのブログ
★北朝鮮のミサイル発射
- 朝から、いやなニュースでしたね。
- テレビでも新聞でも、異口同音
- 「挑発、脅威、言語道断、許せない」との論調ですね。
- 私は、別の懸念を感じています。
- 一国の軍事訓練に対して、世界が騒ぎますか。
- 一国の軍事訓練はその国の主権であり他の国は干渉できません。
- ミサイルを持っている国は発射実験をします。
- 日本も太平洋上で発射実験をしています。
- アメリカも太平洋上で発射実験をしています。
- 日米合同の海洋上での軍事訓練もしています。
- 今回の北朝鮮のミサイル発射実験は、そんなに異例で危険でいけないことでしょうか。
- 発射のコースを見れば明らかですが、日本に向けて発射したわけでもありません。
- 明らかに軍事訓練(発射実験)の範囲内です。
- むしろ、大騒ぎすることで、危機感、不安を作り出そうとする意図が感じられます。
- 経済制裁をすることで、国際的緊張を高め、危機感や不安を煽り、日米軍事同盟を強化したり、軍備費の大幅アップしたり、憲法改正(改悪)への傾斜の方が心配です。
- 過去の大きな戦争の影には、必ず、意図的な情報操作がありました。
- 政治問題、国際問題は、報道に依存してしまいますが、
次の視点を忘れないことが大切です。
- 煽られないこと、流されないこと、迎合しないこと
- 冷静でいること
- 自分の視点、自分の考えを持つこと
全国では、そしてこれからの自分は
全国の都道府県議会でほぼ同じような決議が賛成多数、または全会一致で可決された。千葉県議会や愛媛県議会では、同じように悩んだ議員たちが、勇気ある反対をしている。
「問題は中国、ロシア、北朝鮮が開発・保有するミサイルや実験だけではなく、米軍のMDミサイルをはじめ、米軍のトマホークや自衛隊が保有を始めたGPS精密誘導爆弾など、すべてのミサイルと軍備拡張の禁止であります。よって、本決議案には「全ての」ミサイル実験、ミサイル防衛に反対する文字を付け加えるべきであり、本決議案に賛成できません。」(以上一部抜粋、千葉県議会「市民ネット、無所属市民の会3名」)
愛媛県議・阿部悦子さんは「声明」を出して反対、経済制裁に対しても「弱者の生命に関わる」として反対、その代わりに「いまこそ米国に働きかけて、北朝鮮との平和協定を結ぶよう働きかけるべき」としている。
今回の北朝鮮の行為は許せないし、抗議するべきだが、もし「あらゆる制裁」で東アジアの緊張が高まり、戦争への道につながっていくのなら、私はこの日の賛成を永遠に悔やむだろう。そうならないように、しなければならないことをしなければならない。この長いHPの原稿もそのひとつだ。
|