12月18日
11月議会閉会 日本一安い?会費の忘年会
12月17日、みんなの会例会終了時に
「吉野川シンポジウムの忘年会にご参加下さい。会費は300円です。」
という、献身的にお世話を続けられているOさんからのお誘いの声に、思わず手を挙げてしまった。イマドキ、300円である。
子供会のクリスマス会でも500円や1000円は集めるであろうこのご時世に、何だかものすごく惹きつけられてしまった。
(これは私がケチだから、という意味だけでは必ずしもない。解ってもらえるだろうか?)
何と、くじ引きもついているというではないか。
当日は、本会議終了日で朝から家を空け、
麻植郡合併議案にどういう態度を取るか最後の最後まで考えた疲れと
(甘いな)、
本会議特有の精神的疲れで早く帰りたいはずの日であった。
でもきっと、吉野川シンポジウムの温かい人たちと温かい鍋を食べることで自分が癒されるのを確信しての参加であった。
イラク自衛隊派遣に反対の決議 やっぱり否決
このところ全国各地でこの決議案が否決されたり、可決されたりしている。
県内では、川島町議会、板野町議会が、「反対、または再考を求める」決議を可決。
日和佐、勝浦、徳島市などでは否決された。
決議文が提出されなかった市町村議会も多数。これもさみしい。
県議会では新風21の庄野さんが提案理由を説明、共産党古田さんと県民ネットの本田さんが賛成討論、
自民党の森本さんが反対討論をして、15対25で、否決された。
結果は初めからわかっていたが、否決の瞬間はやはりワナワナと手が震えてしまう。
反対討論の論理は、小泉さんがテレビで言っていることとほぼ同じ、
憲法の国際貢献の部分をつまみ食いしたものだった。
当初、修士論文の追い込みで疲れて体調を崩していたためか
「言いたいことはたぶん共産党が全て言い尽くすだろう、
だから県民ネットとして賛成討論はしなくてもいいね。」
と言っていた本田さん、前日に元気を回復していつもの彼に戻り
「やっぱりやろう!」ということになった。良かった、よかった。
予想通り古田さんはよく勉強されて全てを言い尽くしてくれた。
しかし、そのあとに本田さんが読み上げた憲法9条はとても心に染みた・・・。
「平和ほどすばらしいものはありません。」
大いに悩んだ麻植郡合併議案 退席は登壇するより緊張する
そして苦しい選択を迫られた地元麻植郡の合併議案の採決の時がやってきた。
地元の4市町村議会で可決されたものを県議会でまた採決することに少し疑問を感じる。
もし県議会が否決したとしたらそれこそ越権なのでは?
市町村と県は対等であるはずなのに・・・。
などいろいろ考えてしまう。
県議会議員として地元からのこの種の議案に反対する権利があるのか?
でも、仕組みがそうなっている以上真剣に考えた。
もし、地元麻植郡でなくよその町村からだったら、
県議として絶対に「反対」は出来ない。
今後も、勝浦郡や那賀郡、美馬郡などからもあがってくる予定だ。
さて、麻植郡の場合、事情がいくぶんわかっている。
初めのアンケートの配布の仕方
(各人に1枚でなく、各戸に一枚回収率も低い)、
合併協議会委員の住民代表の選び方、
先送りばかりの協議会での話し合い、
まとまった数の町村議員が反対していること。
これまでの町政の財政面での失敗を反省し改めることなく、
合併によりすべて帳消し、解決しようとしていることにも、
地元住民のひとりとして憤りを感じる。
また、国の合併政策そのものにも大いに疑問を感じる。行政の効率化のためには、他にもやり方はあるはずだと思うし、住民自治が崩されていき、よほど住民がしっかりしないと中央からより支配しやすい方向に流されていくようでコワイ。
もちろん、合併に向けていろいろと事務的努力をされている関係者の方には大変申し訳ない気持ちもいっぱいある。
しかし、私は議員なのだから、しっかり考え、しっかり行動しなければならないのだ。
初めて地方議会を傍聴した時、徳島市議会で住民投票条例案が否決されたとき、退席した議員がいた。
そのとき「なんて卑怯な奴!」と思った。
この日、私の選択は「退席」。
どうしても賛成できないし、どうしても反対できないとき、
退席はやっぱり卑怯なのだろうか。
ちなみに、9月議会の「高速道路の計画路線全ての早期着工と完成の要望決議書」でも、私は退席を選んだ。
地元の要望は無視できないが、日本の改革と財政事情を考えると、
賛成することは自分を偽ることになると思った。
先日、道路公団改革の自民党案が発表され、全計画をやるということだった。
なあんだ、やはり改革は進まないじゃないか。
小さな小さな一人だけれど、あのとき退席を選んでおいて良かった、
と思った。
(豊岡さんも同じ考えで退席した)
退席するのは本当に勇気がいる。討論するよりドキドキする。
自民党各議員の間を通って退席用のドアにいかなければならないからというのもある。
退席の理由を説明できないので、卑怯なように思われるだろうな、
という後ろめたさのせいだろう。
案の定、退席中には「ドアに鍵かけとけ!」のヤジ、
着席途中には「はっきりせんと卑怯ヤナ」のヤジ。
彼らに「卑怯」といわれる私たちって・・・?
鍋はやはりおいしかった
そして夜、会費300円の宴会が始まった。
川の学校、水辺の教室、吉野川流域の保水力調査、基金集めのバザー活動などにボランティアで頑張っておられるみなさんが、20人ほど集まっていた。
日ごろの感謝を込めて、代表Hさんがみなさんのお茶碗にキムチ鍋うどんを自らサーブ、持ち寄った果物やケーキ、お酒で盛り上がった。
くじびき、バザーの売れ残りの本のオークション終了後、
「本日の会費その他の収入7千丸々円、材料費5千丸々円、
収益1700円です。」の発表に全員大きな拍手。
収入は普通の忘年会の一人分の会費ではないか。
世界的カヌーイストの野田知佑さんが最近出版した
「カワムツの朝、テナガエビの夜」の中に
「Yさん(地元の漁師)は初め、可動堰に対し反対している吉野川シンポジウムの人間について疑いを持っていた。一銭の得にもならないのに、どうしてここまで反対するのか。売名や他の目的があるのではないか。あの人たちを本当に信じて良いのかと思ったそうだ。しかし、その後自分でいろいろ勉強して、いっしょに戦うことにした、という。」とある。
今日のイラク自衛隊派遣反対決議否決など、汚い場面にたくさん出会うようになった政治家「ますこ」は、これまで自分にとって普通の世界だった善意の人たちの世界に触れることが、とてもとても新鮮で、よりすばらしいものに感じられるのだ。
だからわたしは、やっぱり幸せなのである。
おいしい鍋で心も身体もポッカポカになりました。来年も頑張るゾ!
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