１０月２２日
　県議会閉会〜焦点は三位一体改革〜

24日間の開催期間のなかで、今回の焦点は台風災害と三位一体改革の徳島県への影響の懸念であった。

代表一般質問ではほとんどの議員から、８月の全国知事会で、「補助金３兆円分の削減案を示すように」と首相から投げられたボールを「精一杯打ち返した」という飯泉知事へ非難の意見、心配の声が続いた。

削減案は総額３兆2000億円
（義務教育国庫負担金8500億円、公共事業費6000億円など）。
この「公共事業」を認めたことに怒った人、教育費を入れたことに疑問を呈する人、などなど。

議員：「クセダマは打ち返さず見送ってもよかったのではないか？」
知事：「苦渋の決断だった。税源の確実な移譲が絶対条件であり、それがないなら知事会案は差し戻す覚悟である。」
この力強い言葉を信じるしかなく、代表・一般質問は終わった。

県にしても国にしても各部局は自分のところの予算を守ることに必死であるから、三味一体改革の総論賛成でも各論反対になってくるのは当たり前。大田知事の時代も大型公共事業を考え直そうとしたが「県政の混乱を招いた」と批判された（今でも県議会のいたる場面でしつこく批判されている）。

混乱を避けていては改革は出来ないし、その混乱を乗り越えて長年続いてきた仕組みを「変える」事は本当に難しいことだ。


知事会案について

三兆円の削減を言われたとき、知事会が義務教育国庫負担金の8500億円を項目に入れたのは「単なる数字合わせ」という批判があるが、私もそのとおりだと思う。改革の大義が地方分権の推進であるならば、地方の個性を生かせる余地や地方の裁量の効きやすい補助金等を削減するのが妥当なのに、義務教育国庫補助金はほとんどが教員の給与なので税源が移譲されても自由な裁量の余地がないのだ。

そしてもし税源移譲がうまくなされないときは、教員の給与が払えないことになり、義務教育制度の破綻する地方が出てくるかもしれない、これは大変！！なことなのだ。
そういう意味では公共事業費が削減案に入るのは仕方がないし、賛成した飯泉さんを評価したいと思う。でも義務教育国庫負担金廃止には反対！

その後、知事会の案に当然反対する国交省、文科省と、改革を進めたい総務省、財務省との戦いは続いている。自民党は地方案に党の考え方を反映させる意見集約を始めたそうだが（11月４日報道）、接点はあるのか？
時代は確実に変革期にあり、自分の役割もじっくり考えて行動したい。


閉会日、本会議は限りなくセレモニー的

閉会日には各委員会の報告があり、その会期に提案された全ての（一部先決事項を除く）議案、意見書、決議、請願などが議決される。
質疑、賛成討論、反対討論をするかどうか、そして自分の賛否を全て前日までに事務局に届けなければならない。

討論を聞いたあとで判断するのでなく、初めから態度を決めているのだ。
国会でも同じような仕組みらしく、前参議院議員の高橋キセコさんが、共産党の討論を聞いて「そのとおりだな」考え直し、前もって事務局に伝えていた自分の態度を違う意見に変えたことがあり、事務局的に大問題になったことがあったとご自身でおっしゃっていた。
素直で優しいキセコさんらしいほほえましい話だ。

議会の内部に入るまではそんなことはあって当然と思っていた。
しかし現実は、本会議は限りなくセレモニーに近い。
だから、本会議の議事録だけでなくより活発な議論の委員会の議事録がホームページで積極的に公開されることや、モニター室での視聴でなく委員会室に入っての直接の傍聴が出来るようになったらいいな、と強く思う。

以前モニター室での視聴を可能にしたのは、自民党議員の声も大きかったと聞く。開かれた議会を目指して党派を超えて声を合わせたいものだ。